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【 STORE STORY 】 『Mamma(お母さん)』が教えてくれた、色あせない時間の味わい方

渋谷駅から恵比寿の方角へ10分ほど歩くと、イタリア・トスカーナ地方の黄色をモチーフにした鮮やかな屋根とアンティークウッドのドアがある1軒のお店が見えてくる。ここが元3つ星パティシエが経営するうわさのイタリアン、『Mamma Luisa’s Table(マンマ・ルイザズ・テーブル)』だ。

お店を訪ねたとき、ちょうどシェフはチョコレートケーキを作っている最中だった。バラの花束を取りだし、ケーキに飾り付けていく。

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「こちらは6歳のお嬢さんの誕生日ケーキです。女の子なので、仕上げにピンクのバラを使いました」と優しい笑顔で説明してくれたのが、オーナー・シェフのピエトロ・アンドロゾーニ(Pietro Androsoni)さん。

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カウンター越しで会話を交わしながらも、ほうれん草とサーモンのキッシュや、フルーツを散りばめたタルトなど、様々な料理が完成していく。

ピエトロさんはフィレンツェ出身。ルネサンスの中心地で「屋根のない美術館」とも呼ばれる花の都の、そのすぐ郊外には、イタリアを代表するワインの名醸地キャンティなどのブドウ畑が広がる。ピエトロさんの原点もここにある。

「僕の実家もパンを焼き、オリーブを収穫し、ワインを造る田舎のファームハウス。週末になると親戚や近所の人がやって来て、26人掛けの大きなテーブルをみんなで囲んでは、『Mamma(お母さん)』の料理を楽しんだんです」

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店名の「Mamma Luisa’s Table」は、実家でのこの思い出に由来する。

ピエトロさんは、フィレンツェの三ツ星レストラン「エノテカ・ピンキオーリ(Enoteca Pinchiorri)」でパティシエとしてのキャリアをスタートさせた。「最初に働いたのが一流の味とサービスを提供するレストラン。人の舌をうならせることが面白くてね、刺激的な毎日を送ることができました。ここでの印象が強くて、“ずっと味の世界を追い続けたい”と思ったんです」

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ピエトロ・アンドロゾーニさん:エノテカ・ピンキオーリの東京・銀座店オープンに伴い、 専属パティシエとして21年前に来日。以後、国内・海外多数のレストランの監督をつとめ、 2014年3月に「Mamma Luisa’s Table」をオープン。

渋谷と恵比寿の間にあるこの隠れ家的な立地について尋ねてみると、
「(看板犬の)ジーノと散歩していたら、都心の大通りから少し入ったところにある、ここのプライベートな雰囲気が気に入ったんです。店内に長いカウンター席と僕の生家のように大きなテーブルがあって、それをお客さん同士でシェアする空間が思い浮かんだんです」

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お店の雰囲気が日々変化するのもまたおもしろい。お客さんが盛り上がってお店全体が群衆のようにぎやかな日もあれば、少人数で落ち着いた雰囲気になるときもある。
「昨日は3人の女性が、4時間ほどいらっしゃいました。お店での時間をそれだけ長く楽しんでくれたんだと思うと、とてもうれしいです」と笑う。

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明るい人柄のピエトロさんを慕って、お店には昼夜問わず自然と人が集まってくる。取材中も、別のレストランのシェフが立ち寄り、果物を切るなどオープン前の手伝いをしていた。

食材については、友人に紹介してもらった伊豆・下田へ5、6年前から通うようになり、地元の魚市場やファーマーズマーケットの方々と仲良くなったそうだ。「Mamma Luisa’s Table」のリモンチェッロは下田産のレモンを使った自家製。アスパラとエビのベシャメルソースや野菜揚げのカクテルも伊豆半島の地産品を料理に生かしている。

「Mamma Luisa’s Table」は、グルメガイドなどでは紹介していない。それでもこの店の温かい雰囲気にひかれて口コミが広がり、一人また一人とお客さんが訪れる。

ここではピエトロさんが子どものときから大切にしてきた、お母さんの『味』と『考え』が再現される。それは、”大好きな人たちと大きなテーブルを囲んで分かち合う”想いであふれる、とある少年の『お母さん』へのトリビュートだ。

MammaLuisa

Mamma Luisa’s Table
東京都渋谷区東2-20-18
Tel: 03-6805-1337

Square編集部
文:鈴木はる奈
写真:Cedric Riveau

Square編集部はお店の知らせざる想いを応援します。
次回 【STORE STORY】は7月11日(土)投稿予定です!

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