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【STORE STORY】築地の包丁『有次』(下):道具に心を、伝統の先に見える形を求めて

前回記事 (2015.04.25):【STORE STORY】築地の包丁『有次』(上):創業98年目、市場に向き合い続ける包丁

「有次」の築地場内店には、大勢の客がひっきりなしに訪れる。とくに目立つのが外国人観光客の姿だ。「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録された2年ほど前から急増。「有次」でも、いまは注文の約半分は海外からだという。

「“寿司を食べたい”ということで、刺身包丁と出刃包丁がよく売れます。日本の職人さんが海外に出た際、和食やお寿司を広めると同時に包丁のすばらしさを伝えたから、ここまで人気を集めているのだと思います」

モノを作るためのモノを求め。それは、ガウディの台所といったところか。
モノを作るためのモノを探して。

いまや日本の包丁の市場は世界に広がっている。インターネットの発達で、包丁がもつ奥深さをしっかりと理解している海外の客も増えているそうだ。

手軽に使えて便利なものは次々と出てきますが、そのほとんどは“使い捨て”。しかし私たちは10~20年使い続けられるものが、本当に便利なものだと考えています。

包丁にお客様の名前を刻む有次 宮之原取締役。さて、この名前は何年先を見るだろう。
包丁にお客様の名前を刻む有次 宮之原取締役。この名前は何年先を見るだろう。

「有次」では包丁の手入れにも力を入れている。自社の包丁はもちろん、「他でどんなものを作っているか勉強になるし、さまざまな研ぎ方を学べる」という理由で、他社の包丁の研ぎの依頼も受ける。要望があれば、研ぎ方を教える教室を開くこともあるのだとか。商品を売りっぱなしにするのではなく、長く付き合う方法まで教えるのが「有次」の特徴だ。

「使った後に手入れをしっかり行うことで、包丁は長く愛用できる。それは海外のお客さまにも日本人のお客さまにも伝えていきたい」と野﨑さんは語る。

道具に心を
ここは、道具に心を与える職場でした

古くから伝わるものの良さを継承し、現代にその意味を伝える「有次」。
最後に、これからビジネスを始めようとする人に、老舗ならではの視点でアドバイスをもらった。

「ビジネスに携わる人は、まずものづくりの大切さを知ることでしょう。そのうえで、お客さまのニーズや時代の流れを把握し、自分たちのものづくりに反映していく。そうすれば、他にはない強みが生まれてくるのではないかと思います」
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東京・築地 / 株式会社 有次
http://www.aritsugu.jp

Square編集部
文:鈴木はる奈
写真:Cedric Riveau

次回 5月8日(金)は、【STORE STORY】目黒・モノづくり工房Makers’ Base

スマホ決済のSquareは、有次をはじめ多くの小売店で利用されています

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